CHEMISTRY OF BOOK

化学を学ぶ人のための専門書まとめ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

量子化学の教科書

量子化学(Quantum Chemistry)
化学コースの学生にとって、量子化学を習得することは、超えるべき大きなハードルのひとつ。量子力学を、化学(原子や分子の構造・性質の解明)に応用したものが量子化学(または分子量子力学)だが、数式が大量に出てきて苦手意識を持つ人が多いもの。大抵の物理化学の教科書には必ず記述される分野なのだが、説明が不十分な書も少なくない。また、量子化学と銘打ったテキストでも、落胆させるような不出来な本も数多く存在するのが実情。
そんな現状に一石を投じたのが、本ブログの「物理化学の教科書」で紹介した「マッカーリ・サイモン物理化学」。この教科書の上巻は、ほぼすべてが量子化学の解説に当てられており、説明も極めて詳細なので1999年に邦訳版が発売されて以来、絶大なる支持を獲得してきた。初歩の量子化学ならばそれで十分だが、ここでは、その次に読むべき発展的な内容を含んだ量子化学テキストを紹介しよう。



Methods of
Molecular Quantum Mechanics (第1版)

やや上級向けの総合的な量子化学テキスト

Methods of Molecular Quantum Mechanics: An Introduction to Electronic Molecular Structure

■出版社
Wiley

■発行年
2009年

■サイズ
23.7×16×2.4 cm(ハードカバー:298頁)

■レベル
★★★★☆(学部3年~大学院)

■ひとこと
物理化学で取り扱われる量子化学を一通りマスターした人が読む上級テキスト。ハートリーフォック法に代わるより精度の高いMP2理論などにも触れている。修士1年レベルの内容に触れたいならオススメだ。



評価の高いその他の名著
量子化学―基本の考え方16章
入門書のさらに入門といった内容の本。物理化学で本格的な量子化学を学ぶ前に読んでおけば、理解はよりスムーズになるはず。難しいところは思い切って省き、重要なところを丁寧に解説。ただ、ページ数も少ないので到達点は低い。

量子化学―基礎からのアプローチ
上で紹介した「16章」よりも上位の内容だが、これもあくまで入門書。解説は詳しいので、比較的とりかかりやすいのが魅力である。これと、アトキンスやマッカーリ・サイモンを併用すれば、より理解が深まるはず。

量子化学 上巻
量子化学 下巻
日本人の著者(原田先生)が書いた数少ない量子化学の成書。上下分冊になっており、内容も充実している。到達点は、物理化学の教科書よりもやや高い。

初等量子化学―その計算と理論
大岩先生の非常に有名な本。初等とあるとおり量子化学の入門書であるが、式の導出からHF理論、ヒュッケル則の説明など重要なところは押さえてある。こちらもアトキンスやマッカーリの前に一読しておきたい1冊。

詳解 量子化学の基礎
東京電機大学の類家先生という方(まだお若い人)が書いた本。最近出版されたもので、本屋で立ち読みした範囲での印象だが、数式の変形がかなり丁寧だと感じた。学術書というより、先輩の講義ノートのような親しみを感じさせる1冊。この先生は界面化学がご専門のようで、彼のウェブサイトを見ると、界面化学のテキストもアップされている。教育への情熱が感じられる新世代の量子化学テキストと言えるかもしれない。

Modern Quantum Chemistry
専門の人には「ザボ」の名前で親しまれている典型的な量子化学のテキスト。計算化学の基礎固めにはもってこいの本。出版元はDOVERなので、非常に安く買えるのも嬉しい。邦訳版は 東京大学出版会から「新しい量子化学(上)」「新しい量子化学(下)」と分冊で出ているが、価格が高いのでできれば原著をオススメしたい。物理化学のテキストで基礎の量子化学を学んだ後の2冊目の本として有用だ。

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://chemistrybook.blog.fc2.com/tb.php/20-9f84a8ef
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。