物理化学の一分野である反応速度論は、物質の反応速度、衝突理論、遷移状態理論などを分子レベルで論じる学問である。最近は化学反応の実態を研究する「分子動力学(Molecular Dynamics)」とも密接に関わり、多くの場合、これも包括して語られる。ただし非常に難解な分野ゆえ、一般の物理化学のテキストではあまり突っ込んだところには触られないことが多い。反応速度論や反応動力学に関する本は、物理化学の教科書を除けばあまり数が多くない。ここでは数少ない世界的な成書を紹介していこう。
An Introduction to
Chemical Kinetics (第1版)
最新の反応速度論を基礎から学べる1冊
■出版社
Wiley-ISTE
■発行年
2011年
■サイズ
24.1×16.3×3.0 cm(ハードカバー:480頁)
■レベル
★★★★☆(学部3年~大学院)
■ひとこと
誰もがつまづく反応速度論を、基礎からわかりやすく解説しているのがこの本。連鎖反応、化学量論的反応、触媒などにも幅広く触れているのが特徴。
評価の高いその他の名著
反応速度論
薄い本だが、非常に有名。扱ってる内容は少ないが、比較的高度な内容なので物理化学の教科書と合わせて読みたい。
分子反応動力学
こちらは世界的に有名な反応動力学の本の邦訳版(丸善)。かなり詳しいが、初学者には少し難しい。ただ、このような専門書籍を日本語で読めるのはありがたい。
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